御神輿などの修復現場を視察してきました(後)

みなさま、ごきげんよう♪

先日の御神輿などの「修復現場を視察してきました(前)」の続きです。

鳥顔八幡宮への奉納品で修繕をするのは、主なものは神輿、獅子頭、猿田彦面、太鼓、賽銭箱などなど。
多くは一度分解して、構造的な補修をした後、古い漆や塗料・金箔などを落として、再び塗装、箔押しをして仕上げるという工程を経て、美しく補修されます。

文章にすると簡単に思われるかもしれませんが、それぞれの段階で、ものすごい工程があります。

例えば、ご神体が鎮座していた宮殿(くうでん)は、何年ぶりに表に出たのでしょうか? 再びご神体に鎮座していただくために特に念入りに補修していただいておりまする。

 

シロアリに食われた屋根や枡形は新材で補強、使用できる部材を残しつつ。取説や設計図があるわけではないので、現物を調べながらの手探りの作業ですから、新しく造るよりも手間も時間もかかります。

 

宮殿は小河仏具製作所さんのところで作業中でした。屋根の本瓦を再現した丸い木材の微妙なRのつけ具合。
桝形は一度組み上げたらバラせないように作られていましたが、構造を変えて桝形を再現されています。
宮殿については「今の人にはできん、すごくいい仕事。ものすごく手が込んでいる」と誉めていただいた上で、「最近の中では一番いい仕事をした」と手応えも感じていらっしゃるようでした。

続いて御神輿の修繕の様子です。

宮殿と同じように、ひとまず分解し、漆などの塗料や金箔を削っています。グラインダーや紙やすりなどでガシガシと削っています。
御神輿は宮殿のようなシロアリによる被害がなかったので、木材などでの補強はありませんでしたが、凹みはパテで整えていました。

  

神輿の作業は暁産業さんという工房行われていましたが、金箔貼りの様子も見学できました。

 

当社の御神輿には細かな装飾がふんだんにありましたが、金箔が貼り直されると本当に豪華なものだったことが再認識されますね。この御神輿が3基もあるのは、大変なことだと思います。

修繕は「塗り」を行い、最終的な仕上がりとなります。
漆塗りの作業も工程も多く一筋縄ではいかない、大変な作業となります。



↑の写真の右が材木の状態から、塗りを重ねて左に向けて完成。当社御神輿や宮殿は黒なので、赤漆の工程は不要かもしれませんが、それでも何段階あるのでしょうか。

現段階では当社のものは漆塗りの作業に入っていません。が、神輿などは色の統一感を図るために、3基いっぺんに作業に入るため、作業場の風景は壮観となるでしょう。見に行きたい…。

「もともとの漆がいいものだった。鳥飼さんのものはなんでこんなにいいの?」と漆職人の浅川忠さんがおっしゃってくださいました。誉めていただいてありがたいのですが、そもそも漆の良し悪しって何ですか? と質問したところ、解説が難しくて…。「漆は梅雨時ほど良く乾く」「日本の漆は甘いからミツバチが寄ってくる」「どんな状況でも、その状況に合わせて、乾く漆を配合するのが腕の見せどころ」などなど、興味深い話が続きました。



漆自体は縄文時代から活用されてきた素材ですので、数千年の知識と経験の蓄積がある、途轍もない技術です。

今回や三社工房をお訪ねしましたが、どの方も「鳥飼八幡宮のものがいい」と口を揃えました。。100年200年保ったのがその証拠ですが、制作時よりも現在の方が技術的には向上しています。修繕すれば美しくなるばかりか、もっと保つようになります。伝統的な技術の継承、お祭りの継承には、本物の技術の力添えが必要ですね。