みなさま、ごきげんよう。
令和6年12月14日(土)10時より「年末の煤払い」を実施いたしました。
令和4年12月18日に本殿遷座祭を執り行い、お神さまがお戻りになった本殿拝殿。
実はそれ以降「煤払い」を行なっていなかったのです…。
今回は先だって実施しましたクラウドファンディングの返礼という形で、ご支援をいただいた皆さまと当宮の職員と一緒に行わせていただきました。
遷宮最終年を迎え、工事のスタートが12月16日からというタイミングで丸2年分の汚れをみなさまと払うことができました。
ありがとうございました。
社殿が新しくなって初めての煤払いでしたので、勝手がわからない部分もありましたが、次のような形で行いました。
1)正式参拝
神前で浄め祓いをいたします。
今回は参加者の方だけでなく、一緒に奉仕する職員と巫女も浄め祓いを行いました。
ご支援者の皆さまには、当宮の法被を着ていただいております。
本日は急な体調不良の方が多く、3名のご参加です。
2)本殿前室を清掃
本殿の内陣の手前の前室のホコリを祓い、乾拭きで室内を拭き掃除します。
前室の内扉の向こうは御神体が鎮座する内陣です。
最もお神さまに近い場所でのご奉仕となります。
毎日、外扉は開けているのでホコリやゴミが隅にたまっておりましたが、吉野檜の材はまだまだなめらかで、すべすべとした肌触りでした。さすが名木です。
前室内の写真は非公開とさせていただきます。
3)本殿の外扉、本殿拝殿をつなぐ廊下を水拭き
外扉と廊下は水拭きです。
外扉を開閉する時は、ギギィーッと大きな音がします。
音がするのはお神さまに「扉を開けまするぞ」とお知らせする意味と、不審者が勝手に開閉しないよう防犯の意味があります。
ということを実感していただきました。
4)本殿の瑞垣のうちに入り、本殿を支える御柱を水拭き
瑞垣とは本殿の周囲を囲む板塀のことです。瑞垣のうちは神職しか入れない聖域です。
瑞垣の内は、本殿を支える柱などを水拭きしました。
こちらも写真は控えさせていただきますね。
5)拝殿の茅葺壁を雁木で補修
茅葺きの壁は色の変化も楽しみですが、ススキの茎が抜けたり、全体が落ちてきていたりするので、時々押し戻してあげるメンテナンスも必要です。
グッグッと力の加減が難しいのですが、壁全体を見て凹凸がなく、平滑になるように押していきます。
茅葺きの壁の感触を存分に味わっていただけたことでしょう。
23年後にまた遷宮を行い、茅葺きを葺き替えることになると思いますが、それまで大切に育てていきたいものです。
6)笹竹で拝殿、神門をはらう
煤払いといえば、笹竹で屋根を払うという風景を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
笹竹で払ったのは、拝殿の上、神門の屋根、手水舎の屋根などを整えました。
年末に行う煤払いは元々宮中行事で、次第に寺社で行うようになり、江戸時代には庶民にも広まった言われています。
電気やガスが普及するまでは、夜の明かりは炊事などで屋内でも火を使っていたので、部屋の中に煤が溜まります。その煤を払うことを年中行事にしました。
寺社では12月13日に行うことが多いようです。
煤払いは現在では大掃除に近い意味になっています。煤払いをすると、正月の歳神さまをお迎えする準備ができるますので、煤払いを「正月迎え」という地方もあるようです。
お恥ずかしながら当宮は2年間煤払いをしておりませんでしたので、ようやく社殿のしめ縄の御幣を交換することができます。
参加者の皆さまが真剣に取り組んでくださったので、とても綺麗になりました。
煤払いが終わるころ雲が流れて、お日様がさしてきました。
お神さまも喜ばれたのだと思います。
「本殿の中に入っての奉仕に緊張しました!」
「普段入れない場所に入れたので嬉しかったです」
「来年もまた参加したい」
という声も参加者の皆さんからいただきました。
一般の参拝者の方も
「煤払いやってる! 縁起がいい」「私もやりたい」とお声がけしていただきました。
今回はクラファンのリターンという形でご参加いただきましたが、来年からは
広く参加していただく年中行事として復活させたいと考えています。
最後に煤払いには、最後に餅や団子を食べて労を労う風習もセットです。
今回は唐人町商店街の菓子舗加美家(かみや)さんのどら焼きを皆でいただきました。
12月22日日曜日は、神門の矢大臣さんと鎮座する部屋をお掃除いたします。
みなさまも良い正月をお迎えするために、良い年末をお迎えください!
それでは!