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遷宮への道〜柱石を心の中で立ててみる〜



古い神社を詣でると、大きな石に出会うことがあります。
巨岩が御神体の神社も多く、糸島市の桜井神社のように奥宮が古墳の石室となっているお宮もあります。

お神様がいますところを「座(くら)」といいますが、石でできたお神様の座が「磐座(いわくら)」です。
どっしりとした磐石の岩がお神様の坐すところだと、大昔の人たちは感じ入ったのでしょう。

秋田県を中心に見られるストーンサークル(環状列石)などは、縄文時代の祭祀のあととされていて、古くから大きな石と信仰はとても関係が深く、連綿と続いている信仰の形。

その形を、現在の都市景観にもなじみ、そして百年後、二百年後の未来に神道を伝えられるようなお宮にするのが遷宮の目的の一つです。その願いを成就させるには、犬島の石が必要だったのです。

上の写真は、新しい拝殿の入り口のところに立つ柱石です。地面から5mほどの高さとなります。
石が大きいだけでなく、ピンク色の柄が入ったり、サビによる経年変化も感じられるところが犬島の石の特徴です。

実際に柱石を立てることはできませんが、人が寝転んでいると規模感が分かりますね。

この石のゲートをくぐると、神道の世界にいざなわれる。そんなお宮にしたいと考えておりました。犬島の石をみて、心の中で柱石を立ててみたら、それが出来るんじゃないか! と確信しました。



日本は、根っこに石の文化がある! と感じていましたが日本だけではないです。

世界を見渡しても、イギリスのストーンヘンジをはじめ各地に巨石の建造物があります。
石組をうまく配すれば、世界中の方がお参りされて、心が落ち着く、そんなお宮になる。いやもうできた、という手応えをもって犬島を去ることができました。



そういえば、犬島の名前の由来は、犬島の山頂にあった「犬石」という犬が伏せたような姿の石から、という説があります。犬石は現在、犬島すぐそばの犬ノ島の犬石宮に祀られています。
また、犬石は大宰府に向かう途中、立ち寄った菅原道真公が名付けたという由緒もあります。都から大宰府へ向かう途中、かつて可愛がっていた犬の鳴き声の聞こえる方に向かっていくと、島にたどり着き犬石を見つけたそうです。

写真は「犬島の島犬」というアート作品です。詳しくはググってください。犬島にはこのような現代美術のスポットが何箇所かあり、自然と現代アートに触れられます。(詳しくはここをクリックして)

改めて犬島には訪れたいです!