遷宮への道〜柱石の産声〜



みなさん、ごきげんよう。ミシッ! パリパリッ!

石を切る時は、切りたいラインに沿って矢(楔)を打ち、打ち込んでいくことで割っていきます。金槌を振るうごとに、パキパキとヒビが広がる音がし、次第に一筋の割れ目が浮かび上がってきました。
力の加減などを、音を聴きながら調整するので、石と対話しながら整えているようにも思えます。

このたび挑戦させていただいたのは、実際に本線の遷宮の柱石となる部材です。
まさに本殿柱石の産声が聞こえてきました。

昨日も触れましたが、犬島の石は江戸城築城のころから関西を中心に使われてきたのが犬島の御影石です。ここだけでも四百年近くの歴史があります。もっと古い時代の石造物もたくさん残っていて、我が国の石の文化もとても奥深い。
日本は木の文化、西洋は石の文化という表現がありますが、そう単純に割り切ってはいけないんじゃないか。
丁場(採石場)の方々の話を伺っていると、そう感じました。

城郭や商家などの建物だけではなく、田畑の畔、橋、道路の石畳など、日本の風景のいたるところに石材が見え隠れします。この技術は、神社やお寺の建設技術が元になっているものも少なくありません。
石や土、木材や紙など、豊かな日本列島で産出されるあらゆる資源を組み合わせ、何世紀もかけて熟成されたものが、伝統的な日本の景色です。

21世紀・令和の世の都心に、伝統的な景色を新しく再現しようというのも、遷宮の試みの一つ。
石だけでなく、伝統的な素材を大胆にアレンジし、技術や美意識、影に秘された信仰心などを浮かび上がらせていきます。

[caption id="attachment_13384" align="aligncenter" width="1024"] 犬島の石購入にあたり、ご仲介いただいた翼石材の高橋晋也さん(左)[/caption]

[caption id="attachment_13379" align="aligncenter" width="1024"] 遷宮プロジェクトのメンバー。左から石匠十二代國松祥治さん、原田収一郎、宮司山内圭司、高野龍也、二宮隆史さん(二宮設計)[/caption]