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病気平癒の撫で牛







今日は撫で牛信仰について書きます。

撫で牛とは、自分の身体の病んだ部分や具合の悪い部分をなでたあと、その牛の身体の同じ箇所をなでると、悪いところが牛に移って病気が治ると信仰されています。すなわち、みずからのツミやケガレ、邪気を人形に移して祓い、心身を清めるというものです。
撫で牛は、病気平癒のみならず、諸願成就にも効力があるとされ、開運を信じて常に牛の身体をなでていれば、出世はもとより、万事願いがかない、みずから思いもよらない幸運に恵まれることさえあるといわれています。女性の無病息災や子孫繁栄などの効能があるともいわれ、東京向島の牛嶋神社には、撫牛によだれ掛けを奉納する風習があり、それを生まれたばかりの乳児に掛けると元気に育つという口承(言い伝え)がのこっています。
撫牛信仰の起こりがいつの頃かははっきりとしませんが、病院平癒の信仰がさかんになったのは江戸時代からです。江戸時代中期以降の印刷物である『開運撫牛縁起』には、撫牛を祭って開運を得る手立てが示されており、伏見稲荷大社門前に所在する伏見人形の店には、この印刷物が撫牛の置物とともに配布されていました。

鳥飼八幡宮では境内末社 天満宮の向かって左手にひっそりと鎮座されています。

鳥飼八幡宮の撫で牛はたくさん撫でていただいたようで、左の側頭部や耳は削れたようにすり減っています。

篤く信仰されているのですね。