楼門の額



 鳥飼八幡宮の楼門の額には「富 無 祝」とかかれています。

富は無くとも言祝ぐと訳します。

意味はこの楼門をくぐると資産や財産はたとえ持たなくても、しあわせになれますよと言う意味です。

日常に使いなれた言葉「祝う」をさらに高めた言葉が「ことほぐ(言祝ぐ・寿ぐ)」です。
古代日本では、祝いの言葉を述べる事を「ことほぐ(言祝ぐ)」といい、「こと」は「言」、「ほぐ」は動詞「祝く(ほく)」を意味します。

 この言祝ぐには言葉を口にすることによって、幸福を招き入れるという言霊思想が宿っています。
 
平安時代以降、「ことほく」から「寿ぐ・言祝ぐ(ことほぐ)」や「寿く(ことぶく)」ともいうようになり、「ことぶく」の連用形が名詞化して「寿(ことぶき)」になったということです。
 
「ことほぐ(言祝ぐ・寿ぐ)」には、おめでたい言葉を口にすると、本当に幸せが訪れると、そういう先人の思いが込められていたのです。

日本國は発する言葉に霊力あるとして、言葉を大切にしてきた国です。
美しい言葉、相手にも心地よい言葉、自分にも前向き語りかける言葉は相手も自分も癒され、新たな力の交歓が生まれるのです。

この額の「富 無 祝」にはお参りされる方への末広がりの幸福や長寿が現実のものとして叶いますようにと願う、そんな優しい思いが込められているのです。