
みなさん、ごきげんよう。こんにちは。
本日は五月五日、端午の節句、こどもの日ですね。
日本中のお子様の健康と順調な発育を心より祈念いたします。
本日は、ぜひ湯船にお湯を張り、菖蒲の葉を浮かべて御入浴されてください。
菖蒲には邪気祓いの力があると信じられ、薬効成分でも血行促進やリラックス効果もあるとされています。
連休の疲れを癒してください。
そんな端午の節句で、鳥飼八幡宮では「人形供養祭」を執り行いました。
人形供養は、平成25年ごろから当宮でも承っております。
12年間で1万件以上の供養を行なってまいりました。お蔭様で人形供養のお申し込みは引も切らない様子です。
基本はお人形をお預かりして、供養祈願をして処分までさせていただいていますが、愛着のある人形やぬいぐるみとの別れを惜しみ、また感謝の意を捧げるために、供養祈願に立ち会い希望の方もおられます。
人形供養に立ち会いたいという方々の声を受けて、はじめて合同の人形供養祭を執り行いました。
斎主は日ごろ中心的に人形供養を行なっている、田部権禰宜です。

当宮における人形供養の専門家、人形供養師と呼んで差し支えないほどの人形供養を行なっております。
本日は、当日13組の方のお申し込みがあり、みなさまと、事前にお持ち込みいただいたお人形合わせて196体に向かい、感謝の祈りを捧げました。
名残惜しそうにされている方も多く、祭祀場となった光の宮には慈愛の情が漂っておりました。
我が国では、モノにも御霊が宿ると信じられてきました。大事にしないと道具やモノが妖怪変化し、町を行進するという「百鬼夜行図」なんていうものも描かれていました。

これはモノや道具を大切にすることが日本人にとって当たり前のことであり、モノにも荒魂があるという八百万の神々の投影でもありますね。
特に人形は、縄文時代に土を焼いて道具を作り始めた時から作られています。土偶さんですね。
土偶は発掘された時に、体の一部が意図的に破損された状態になっていて、病気やケガの平癒を祈るために作られたモノではないかと言われています。
人形は「ひとがた」とも読み、厄や穢れなどを受ける形代(かたしろ)、つまり身代わりとなるモノです。
お子様の成長を願い、祝う時に人形を飾るのは、悪しきことを代わりに受けていただく意味もありました。
人形はアートや装飾品、玩具でありますが、呪術的なモノなのです。
お持ち込みされるお人形は、雛人形や節句の飾り、羽子板、博多人形などから、キャラクターのヌイグルミ、フィギュアなど多種多様です。
大切にされ、思い入れのあった人形には、御霊が入ってそうな目をしていたりします。
押し入れの奥に長いこと置かれていた人形は少し寂しそうです。
どんなお人形でも手放すときは、感謝の気持ちで。
明日からも人形供養を受け付けております。
次の人形供養祭は重陽の節句・九月九日を予定しております。
