
みなさん、ごきげんよう。
間も無く、春分の日ですね。そして前後3日ほどが春のお彼岸です。
お彼岸は、ご先祖さまをしのぶ時ですね。彼岸とは此岸(この世)の向こう側の世界という意味です。
言葉自体は仏教用語なので、悟りの世界という言い方もありますが、要は「あの世」です。
仏教用語というと、インドでもお彼岸の行事をするのかと思いきや、彼岸は日本独自の先祖の祀り方です。
春分の日を中心に、先祖をしのぶという風習は日本的な、あえていうなら神道的な考え方なのです。
春分の日が休日なのは、明治時代に宮中で行う「春季皇霊祭」に際し、国民あげて祝う祭事にしたことがきっかけ。
宮中で大事にしていたご先祖への祭祀を、国民がお墓参りに行ったり、家族や親戚と故人や御先祖をしのぶ食事会(直会)をしたり、とそういう時間をとれるように考えられたものではないでしょうか。
神道はアニミズム(自然崇拝)といわれますが、その教えの重要な軸は「先祖祭祀」です。
最近「当宮では新たな祖霊殿奥宮を建設しています」と発表させていただきました。
この時期に情報を解禁したのは、宣伝の意味もありますが、みなさまの先祖への思いを喚起するきっかけになればという思いもあります。
本当はもっと前に発表したかったのですが、諸事情ありまして。
福岡県には現在、地上部分のない地下だけの建造物はないそうで、そのような前例のない建物を建てようとしたときには、いろいろと手順を踏まねばならないのです。
地下に納骨堂を造るというと、暗いイメージがあるかもしれませんが、太陽の光が降り注ぐ構造となっています。
元宮は天井に北斗七星の形に配された天窓があり、宇宙の源からエネルギーがやってくるイメージ。

神話では、天のお神さまから「国をつくりなさい」と命じられたイザナギノミコトとイザナミノミコトが、すったもんだしながら大地を生み、ブワブワと不安定に漂っていたこの世を安定させたとされています。これを修理固成(しゅりこせい)といいます。
大地が固まることによって、根源の神で宇宙の中心におわす天之御中主神さまからの力を受け止めることができたように感じます。
奥宮は、鳥飼八幡宮の祖霊祭祀をもっと安定させるためにあえて地(つち)に創建することにしたのです。
元宮、奥宮の完成によって、当宮の祖霊殿は完成形となるのです。
みなさま、神社参拝の折には、お神さまへのお願いだけでなく、ご先祖さまへの感謝も添えてくださいませ。ご先祖といっても漠然としていますので、近しい個人の方を思い浮かべてみてください。その方からご先祖全体に伝わっていくことでしょう。
神社に納骨されている方はもちろん、すべてのみなさまにお勧めいたします。
それでは!