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宮座献饌祭を執り行いました

みなさま、ごきげんよう。こんにちは。

本日は毎年12月4日に行われる「宮座献饌祭」の日です。



宮座献饌祭は、鳥飼八幡宮が誕生したきっかけとなった神功皇后との触れ合いを特殊神事として残し、継承し続けてきたものです。

当ホームページでは何度も触れましたが、鳥飼八幡宮に伝わっているのは、次のような逸話です。
神功皇后が三韓征伐から戻られ、姪浜から上陸しました。戦いと航海で疲れた皇后御一行でしたが、なかなか人の住む集落に出会えません。皇后のお腹には、のちの応神天皇となられる御子も宿っていました。

さまよううちに、御一行はとある集落にたどり着きます。

それが鳥飼村で、12月4日のことでした。

急な貴人のお出ましだったので、ありあわせのもので食事を作りお出ししました。神功皇后はことのほかお喜びになられました。当時の12月4日は現在よりも気温が低かったでしょうから、暖を取れたのでホッとされたのもあったことでしょう。
「お腹の御子にもよきこと、よきこと」。
皇后自ら村人にお酒を注いで、感謝の気持ちを伝えました。皇后陛下にお酒をいただくなど、庶民からすると望外の喜びです。

その喜びの気持ちから、若八幡というお宮を創建し、献饌祭というお祭りをはじめました。鳥飼八幡宮が生まれるきっかけとなった逸話であり、このお祭りの起源です。

そうです。12月4日は鳥飼八幡宮の誕生日といっても過言ではないですね。

献饌というのは、食材を献上するという意味です。お祭りは、食材を献上した時点で、玉串奉納をして式典は終了ですが、その後直会をして、お神さまからのお下がりである食事をみなでいただきます。



鳥飼八幡宮は村人の気持ちからできた神社であり、その気持ちを思い起こすための祭が今なお続いているのです。

というものの、お祭りは少しずつ形を変えてきています。以前と全く同じようにはできないかもしれませんが、原点回帰のこの遷宮を契機に、少し見直す部分も必要かもしれません。

現在献饌しているのは、米・酒・お魚・ニンジン・大根・牛蒡・柿・みかん・塩・栗です。



三宝や折敷に載せた食材を、「大行司(だいぎょーじ!)」「小行事(こぎょーじ!)」と叫びながら手渡していき、神前にお供えするのがお祭りの内容です。



この遷の宮で行うのは、今回が初めてです。珍しい光景となりました。



遷宮を行い、鳥飼八幡宮を何百年後も残していきたいと考えています。宮座献饌祭も同じです。
1800年と言われる当宮の歴史を伝えるお祭りを、無事に終えてホッと一息です。

みなさまによきご縁のあらんことを。