お知らせ・ブログ

神社の遷宮と常若



みなさん、こんにちは。ごきげんよう。
今回は神社の遷宮(せんぐう)について、お話します。

遷宮とは、宮を遷(うつ)るという意味ですが、遷るの主語はお神さま、御神体です。
本殿を修繕したり、建て直すときに、一度仮宮にお遷りいただくことが直接的な意味ですが、広く神社の建物の改修や建替えのことを指します。

遷宮という言葉がメディアでも広く飛び交った時期があります。
平成25年(2013)は、伊勢神宮と出雲大社の遷宮が重なったため、大きな話題となりました。伊勢神宮は20年ごとに式年遷宮をし、出雲大社は60年ぶりに遷宮を行いました。
とても縁起の良い年ということで、記憶に残っておられる方も多いのではないでしょうか?

式年遷宮とは、決まった年ごとに遷宮を行うという意味です。

遷宮とは、常若(とこわか)という神道の考え方をもとになっています。
字面ではいつも若々しく、という意味ですが根底には「常に若々しく美しさを保っていることで永くあり続けられる」という意味が含まれています。

同じ形式の建物を1300年以上も遷宮し続けてきた伊勢神宮は、同じ形式の遷宮を続けるために、さまざまな変化をしてきました。

当宮では過去式年遷宮を20年ごとに行ってまいりました。
この度の遷宮は、コロナ等で時期がずれてしまった面もありましたが、氏子の負担などを鑑み25年ごとに式年遷宮を行うこととなります。
当宮の場合は、本殿拝殿の建築様式を大きく変化させました。
石柱など何百年も使える素材を用いながら、外壁の茅葺はおよそ25年、30年ごとに葺き替えることで「常若」の精神も伝えられるようにしています。

当宮にお祭りしているお神様の中で、武内宿禰(たけのうちのすくね)さまという方がおられます。天皇5代にわたりつかえ、御年300歳とも400歳とも言われた長寿命の方です。
宮司家のご先祖様だと聞いています。
このご縁で当宮のソテツは、樹齢1000年ともいわれる巨木で、雄々しく屹立されています。
御神木で、千年蘇鉄とお呼びしています。
また、当宮の地下水はとても軟らかく飲みやすい水で、いつしか不老水と呼ばれるようになりました。



不老長寿の秘密は、常若にあるのかもしれません。
ぜひご参拝の折は、不老水や千年蘇鉄もご覧ください。なお、武内宿禰さまは、黒殿神社に鎮座されています。
遷の宮(光の宮)正面のお社が黒殿神社さまです。

みなさまによきご縁のあらんことを