みなさま、ごきげんよう。
台風が去って、朝晩がすっかり涼しくなり、秋のとばりが少しずつおりてきています。
こういう時期こそお風邪などを召しませんように。
さて、先日狛犬が修理に出された日に、古い賽銭箱も修復のため出発しました。
安政年間に奉納された賽銭箱は、風雪の重みだけではなく、大の男が8人がかりで持ち上げるほどのずっしりと重く、「奉獻」の金箔も豪奢な、まさしく鳥飼八幡宮の顔というべき風格です。
奉納後は遷宮のたびに、きれいに修復されて今日まで受け継がれています。
ただ、不届き者により賽銭箱が壊され、中のものが盗まれるという事件もありました。その時の傷跡は今も痛々しく残っています。
きれいになった賽銭箱は12月18日の本遷座祭には帰ってきます。
まだ新しい遷の宮(うつしのみや)に、重厚な雰囲気を醸し出したのはこの賽銭箱でしたね。
そして遷の宮の正式な賽銭箱が設置されています。
新しい賽銭箱は、福岡県内の水害で倒れた木材を使用しています。正方形の可愛らしい賽銭箱ですが、遷の宮に合わせてデザインされたので、新旧置き換わってもしっくりきますね!
ここからは蛇足の話です。
安政年間は今からすると激動の時でしたね。
安政元年はペリー2度目の来日と日米和親条約締結(来日時は嘉永七年)の後、伊賀上野、東海、南海、豊予海峡での地震。
安政二年は、飛騨、江戸の地震。安政三年は、八戸での大地震、台風で江戸で10万人の被害。
安政五年は、日米修好通商条約締結、安政の大獄、ペストの流行。
安政六年は、国内の金銀が国外流出し、経済悪化。
安政七年には、大老井伊直弼の暗殺(桜田門外ノ変)…。
どことなく今日の日本の流れと似ているような気がしますね。まさに変化のタイミングで、遷宮が行われています。
何か不思議な巡り合わせを感じます。