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古事記輪読会 第1回完了です



みなさん、こんにちは。

昨日令和7年6月11日、「古事記輪読会 古事記のひびき 第1回」を行いました。

今年3月21日に、古事記の編纂者 太安万侶(おおのやすまろ)の銅板墓誌が国宝に指定されました。
太安萬呂は実在が疑われていて、そのため古事記は偽書ではないかという説まで囁かれていました。

昭和54年に奈良市で発見された墳墓から「従四位下勲五等 太朝臣安萬侶」という銅板の板が発見され、太安万侶の実在が証明されました。

その太安万侶墓誌が国宝になったのですから、とてもおめでたいことです。

ということもあって「古事記の勉強会」としたいと考えました。
勉強会といっても座って話を聞くだけの会では退屈でしょうし、古事記研究家が当宮にいるわけでもありません。
音読をすることで、古事記の世界、そして古事記が成立した奈良時代の大和言葉のひびきを体感できればと、輪読会という形式で開催いたしました。

第1回目のテーマは古事記の「序」 。

古事記本文の神話の世界に浸りたかったのですが、この序文を読むと古事記を制作する経緯、成立する上での苦労などが分かります。
現在は古事記という書物の前書きのように思われている方も多いですが、本来は太安万侶が元明天皇に古事記を献上するときの上奏文です。
太安万侶さんの肉声が乗った文章に参加者の皆さまのの音声が乗っかるのは、面白い試みだったのではないかと思います。

第1回にお集まりいただいたのは、12名でした。

まず本殿拝殿にて正式参拝をして、古事記を読む心を整え、その後みなさまと声を合わせて古事記序を声に出して読みました。



どのような内容が書かれているのか簡単にご説明させていただきました。
序文には712年当時までの長い日本の歴史のダイジェストと、正しい歴史を語り継ぐことの重要性。
そして、当時大和言葉を文字にすることの意義と難しさが書かれています。

コミュニケーションのメディアやツールが大幅な進化、変化を遂げている今日、似たような課題を私たちは抱えているのではないかと、ご説明しつつ、私も実感しました。

古事記を音読すると、良いことがあると言います。参加された皆さま、この記事を読まれた皆さまにも良いことが起こるようにご祈念いたします。

さてこれから月1回ペースで古事記上つ巻の日本神話読み下し文を響かせていきます。

原則として、第2水曜日に開催いたします。

第2回目は7月9日18:30〜 「天地開闢神話(天之御中主さまから伊弉諾尊・伊弉冉尊の登場)」を中心に、読めるところまで

第3回目は8月6日18:30〜 「イザナギ・イザナミと国生み/日本列島の誕生」となります。

また詳しくはご案内いたしますが、皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

(高野龍也)