みなさま、ごきげんよう♪
先だって、修復に出していました奉納品などの途中経過を検分してまいりました。
伝統工芸士のみなさまが、とてもいい仕事をなされておられます。
例えばこの宮殿(くうでん=ご神体をお納めするお社。厨子ともいう)。
工房に置いてあったのですが、あまりにキレイになっており当宮のものとは認識できませんでした。
まだ組み上がっておりませんが、完成したら新調したと言ってもわからないのではないでしょうか。
前回検分した際はこのような感じでした。
木地の修復中で、壊れたところや腐食などで弱くなっているところに新材をあて、形を整える作業の最中でした。
元の素材を活かす部分、補強する部分を見極めながらの補修です。丁寧な仕事ぶりに驚いたものです。
この時から約3ヶ月経つと、漆塗り、金箔張り、彩色(筆で図柄を描くこと)まで終了し、あとは組み直すのを待つのみ。
これだけの工程に、多くの方が携わっています。
それぞれの工程で、伝統工芸士という国が認める匠が作業されているのです。
「何もそこまで…」「修復にそんなにお金をかけるの?」という声も実際聞こえてきました。もう少し簡便な修復の技法もあり、選択の余地もありました。
ですが、全国からさまざまな修復を請け負って来られた伝統工芸士の方々がことごとく「鳥飼さんのものは、モノがいい」「これほどの仕事はなかなかない」などと言われると、このような座組みで最高の技で修復してもらいたい、と決断するしかありません。
奉納された、当時の方々の思いを馳せればなおさらです。
宮殿は御神体を納めるお社で、12月18日の本遷座祭以降は神職ですら目にすることはありません。
みなさまにもこの素晴らしいお社を見ていただく機会を作りたいと考えております。
ぜひ、ご期待ください。
また別の品目もレポートします。