今年は丑年です。
牛は昔から食料としてだけでなく、農作業や物を運ぶときの労働力として、人間の生活に欠かせない動物でした。勤勉によく働く姿が「誠実さ」を象徴し、身近にいる縁起の良い動物として十二支に加えられました。また「紐」という漢字に「丑」の字が使われおり、「結ぶ」や「つかむ」などの意味を込めたと考えられます。
十二支の動物の中で最も動きが緩慢で歩みの遅い丑(牛)の年は、先を急がず一歩一歩着実に物事を進めることが大切な年と言われています。
十二支の2番目の干支であることから、子年に蒔いた種が芽を出して成長する時期とされ、まだ結果を求める時期ではなく、結果につながる道をコツコツと作っていく基礎を積み上げていく時期とされます。
古来より、牛は天神さまの「神使」としてよく知られております。
学問の神様「菅原道真公」は、今より千百有余年前の丑年にお生まれになりました。
その生涯を通じて至誠の道を垂範せられ、よく勉学に励まれて右大臣という高位に任ぜられた立派な方でしたが、そのめざましい昇進を妬む者の策略によって、京より九州大宰府へ左遷されてしまいました。
牛車で配流先へ向かう道中、牛によって待伏せの賊の難を逃れたと伝えられる他、菅公と牛にまつわる伝説は数多く残っています。
以来「牛は天神さまの神使」とされるようになりました。
また人生・教育の基本を象徴するとも云われます。即ち「牛を見習えば(反芻=くりかえし)何事も出来ない事は無し」と諭しています。
鳥飼八幡宮には「なでうし」が祀られています。
「なでうし」は古くから学芸上達・試験合格のほか、病気平癒・虫封じや幼児の発育保全・厄除開運等の願掛け信仰があります。
鳥飼八幡宮の「なでうし」はご自身の身体の悪い部分を撫で、「なでうし」の同じ部分を撫でると病気平癒のご加護があるといわれて篤く信仰されています。
今はコロナウイルスの影響で人々は身も心も疲れ切っていることだと思います。外に出かけたり人に会うことで、これまでストレスをうまく発散できていたような人が、外出ができなくなったことで、心に悩みを抱えがちになっていることでしょう。
神社は神々が鎮まる聖域です。
心が乱れている時は、お神様に手を合わせ静かに向き合ってみてはいかがでしょうか?
自然の音に耳を傾け、深呼吸してお参りをしてみてください。
お神様は常に皆さまのそばにあり、見守っていてくださることでしょう。